中京記念過去５年間のデータより

カレンブラックヒルは中京記念で唯一のＧＩ馬。トップハンデ５８．５でも、ベストのマイル戦で底力を誇示する（写真：サンケイスポーツ）

　サマーマイルシリーズ（全３戦）は今週の中京メーン・中京記念でスタート。２０１２年のＧＩ・ＮＨＫマイルＣ覇者で、メンバー最多の重賞５勝を挙げるカレンブラックヒルが主役を務める。今回のメンバーでは実績、実力ともに一枚上の存在で、マイルもベスト。トップハンデ５８．５キロをはねのけて格の違いを証明し、夏の中京開催のラストを飾る。

　メンバー唯一のＧＩ馬カレンブラックヒルが、真夏の尾張マイル決戦に登場する。

　「軽い走りをするタイプではなく、馬場は良でも重でも変わらない。パワータイプなので、今の中京の芝はいいと思いますよ。マイルもベストです」

　主戦の秋山騎手は好勝負を期待している。騎乗停止や落馬負傷で近２走は手綱を取っていないだけに、コンビ再結成の今回は自然と力が入る。

　３走前の小倉大賞典はトップハンデ５８キロを背負いながら、先行策から押し切った。２走前の産経大阪杯は２番手を進んで８着に終わったが、良化途上だった上、先行勢が総崩れする展開で敗因は明確。７着だった前走の安田記念は発馬で後手に回ったのが大きい。３歳時にＧＩ・ＮＨＫマイルＣを制した東京と同じ左回りで直線に坂があるマイル戦なら、一変してもおかしくない。

　トップハンデ５８・５キロは実力の証し。他馬との斤量差は底力でカバーする。「競走条件自体はいいと思います。馬場が少々悪くても問題ないタイプなので」と小林助手。「目標だった安田記念の状態を望むのは難しいですが、（短期放牧を経て）そこに近づけるように調教しています」と続けた。

　２０１２年にマイル戦となった中京記念。昨年は同じくＧＩ馬でトップハンデのサダムパテックが、７番人気の低評価をくつがえして優勝。一昨年のフラガラッハもトップハンデタイの５７キロを背負って連覇を達成したように、斤量が重くても実績馬はきっちり結果を残している。メンバー随一の実績と地力の高さを誇るカレンブラックヒルが、夏の中京のフィナーレで存在感を示す。　（宇恵英志）

★中京記念の展望

　サマーマイルシリーズの第１戦。ＧＩ馬カレンブラックヒルが実績では断然だ。トップハンデの５８．５キロを背負うが、１５日の１週前追い切りで好時計をマークし、状態は申し分ない。レッドアリオンは今年、オープン特別の洛陽ＳとＧＩＩマイラーズＣを連勝し、充実著しい。オリービンは休養明けの米子Ｓ（２着）を叩いて上昇。ダローネガは昇級になるが、重賞で２歳時から好走歴があり、芝のマイル戦は初めてのスマートオリオンは前走快勝で勢いがある。

■サマーシリーズ

　６月２１日から９月１３日までを指す。競走馬は１０００メートル＆１２００メートルの「スプリント」（全６戦）、１６００メートルの「マイル」（全３戦）、２０００メートルの「２０００」（全５戦）の各部門でポイントを競って、王者を決める。騎手は全１４戦が対象。