【セントウルS(日曜=13日、阪神芝内1200メートル)新バージョンUP作戦】日曜(13日)阪神メーンはサマースプリントシリーズ最終戦のGIIセントウルS。10・4GIスプリンターズSをにらんだ実力馬も多いが、レース傾向を読み切った新VU作戦は◎ウリウリ。6ハロンのキャリアはわずか1戦ながら、そのスプリント能力は計り知れない――。
夏のローカル開催に別れを告げ、今週から舞台は中央場所の阪神、中山へ。秋競馬の到来を告げるセントウルSは同時に、サマースプリントシリーズ最終戦の肩書も併せ持つ。シリーズ創設の2006年以降の9回、当該年のシリーズ対象レース(最終戦前)で3着以内の成績を収めていた馬がこのレースで8勝(06年は中京開催)している。本来ならば正反対の位置にあるべき入り口と出口。そのどちらの役割に重点が置かれているかは結果が示す通りだ。
スプリンターズSに向けたステップレースというよりも、夏の延長線上と考えたほうがベター。シリーズ対象レース3着以内というフィルターを通せば、今年の有資格馬はアースソニック、ウリウリの2頭だったが、アースソニックは回避…。いや、仮に回避がなくても当欄の答えは迷うことなくウリウリだった。
2走前の安土城Sで京都7ハロン1分19秒0の快レコードをマーク(別表参照)。前後半3ハロン34秒0→34秒0のイーブンラップをあっさり差し切った爆発力もさることながら、5ハロン通過55秒9、6ハロン換算(中間の1ハロン=11秒0をカット)1分08秒0のスピード戦をものともしなかったスプリント能力には脱帽するしかない。自身前後3ハロンの合計も35秒1→33秒1=1分08秒2。卓越したスピードの絶対値は6ハロンでさらに、と考えるのは自然の成り行きでもあった。
返す刀のCBC賞はあいにくの渋馬場。一見、前後半3ハロン33秒4→35秒7の前傾ラップがうまくハマったように見えるものの、自身の前後3ハロンは34秒7→34秒4と絶妙なラップバランスを保っている。初のスプリント戦かつ馬場レベルは持ち前のスピードを生かし切れるとは到底思えない過酷なもの。決して得意とは言えない条件下で披露したブレのないパフォーマンスに、ウリウリの底知れぬスプリント適性を垣間見た思いだ。
近3年のセントウルSは1分07秒台での決着。12年=33秒2→34秒1、13年=33秒8→33秒7、14年=32秒9→34秒5のレースラップに対して、勝ち馬の自身前後3ハロンは12年=33秒9→33秒4、13年=33秒8→33秒7、14年=33秒4→34秒0。求められるのはレースの流れに惑わされることなく、自身の前後3ハロンともおおよそ33秒台に収めるブレのない走り。開幕週の馬場ならおのずとCBC賞から数字は詰まる。仮に前後3ハロンとも時計一つ分詰めることができれば、33秒7→33秒4=1分07秒1。現実的にVゴールが描ける数字になる。