エルムS２０１６年｜当たる予想会社｜過去5年のデータより

　エルムＳの追い切りが１１日、札幌競馬場で行われた。平安Ｓ１０着のロワジャルダンは、新コンビとなるジョアン・モレイラ騎手（３２）＝香港拠点＝が騎乗。ダートコースで余裕たっぷりに併入して、調教評価『Ｓ』をゲットした。今週から短期免許で騎乗するモレイラも体調の良さを確認し、ＪＲＡ重賞初制覇を狙う。

　モレイラ旋風が今年も札幌で吹き荒れる。初の短期免許で騎乗するモレイラ騎手がロワジャルダンと初コンタクト。重賞ウイナー（２０１５年みやこＳ）の実力を感じ取った。

　「雰囲気がすごくいいし、仕上がりもよさそう。難しいところがある馬だと聞いていたが、きょう乗った感じではプッシュしなくても自分から前向きな姿勢を見せていたよ」と好感触だ。

　僚馬クロムレック（１０００万下）を２馬身先行させて、直線は内に潜り込む。５ハロン６７秒１、３ハロン３７秒２－１２秒１とシャープな脚さばきで併入した。動きにはまだまだ余裕があり、名手の言葉にも納得がいく。

　モレイラは昨年、ワールドオールスタージョッキーズ（ＷＡＳＪ）で来日。２日間で７勝の“神騎乗”を見せつけ、シリーズも優勝。今年は２８日まで３週間の騎乗予定で、札幌記念ではチャンピオンズマイルでＶに導いたモーリスの手綱をとる。

　拠点とする香港では２シーズン連続でリーディングトップ。現地では“マジックマン”や“ゴースト”と呼ばれ、絶大な人気を誇る。直線の攻防で右手からすり抜けて落としかけたステッキを、即座に左手でキャッチした“神業”は日本でも有名だ。

　「あのときは２着だったけどね。意図的に投げたわけではないし、２回同じことをやろうとしてもできないよ。日本で知られていることにはびっくりした」と笑う。反射神経の良さや優れた判断力が、マジックマンと呼ばれるゆえんだろう。

　「具体的な数字の目標はないが、３週間でいい競馬をして好結果を残したい。それとＷＡＳＪで尊敬している武豊騎手に会えるのは楽しみ」と笑顔を見せる。

　土日で１９鞍に騎乗予定で有力馬がめじろ押し。母国ブラジルはリオ五輪で沸いているが、札幌はモレイラが熱くする。　（片岡良典）

★昨年ＶＴＲ

　ワールドオールスタージョッキーズの香港代表に選出され、昨年８月２９、３０日の札幌に来日。土曜１、４Ｒでいきなり来日２連勝を飾ると、シリーズでも４戦して（２）（１）（１）（１１）着と圧巻の強さで優勝を決めた。土日で２０戦７勝、２着４回。連対率５５％の驚異的な成績をマークして、日本のファンと関係者に強烈なインパクトを与えた。